福岡県
北九州市
きたきゅうしゅうし
門司市、小倉市、若松市、八幡市、戸畑市の隣接する五つの市が、上下関係の一切ない世界初の「五市対等合併」を成し遂げて誕生した北九州市は、かつての四大工業地帯の一大拠点として日本の高度経済成長を力強く牽引してきた、九州初の百万都市(政令指定都市)です。関門海峡を挟んで本州と接する九州最北端の交通の要衝であり、門司港レトロの異国情緒溢れる佇まいや、小倉城周辺の都心の躍動、そして皿倉山の壮麗な風景が、暮らす人々や訪れる人々の五感を鮮やかに彩っています。歴史を紐解けば、ここは筑前国と豊前国という完全に異なる二つの国が国境を巡って激しく対峙してきた背景を持ちながら、新市名公募で圧倒的一位だった「西京市」を「天皇(天子様)が住まわれた歴史がない」との理由で覆し、知名度の高い「北九州市」が採用された面白い行政史を秘めています。五市それぞれの役割を誇り高く分担し交通網で結びつく「多核都市論」により場末論の恐怖を乗り越えて合体し、巨大なものづくりの伝統と不屈の情熱を脈々と受け継ぐ歩みが、現在の豊かな営みと交差しています。
最終更新日:2026年8月1日
郷土料理・ご当地グルメ
この地域で親しまれている味を4件紹介します。八幡ぎょうざ
北九州市八幡地区の飲食店で提供される餃子を、地域の食文化としてまとめた呼称です。製鉄業で働く人々の食事として餃子店や中華料理店が集まり、鉄鍋で焼く形式、一口餃子、水餃子など多様な形が定着しました。皮、餡、焼き方、たれ、薬味は店舗によって異なり、統一した一つのレシピではありません。
北九州の糠炊き
北九州市の小倉城下に江戸時代から伝わる、熟成したぬか床を調味料として魚を煮る料理です。いわしやさばなどの青魚を、ぬか床、醤油、砂糖、唐辛子、山椒などとともに時間をかけて炊きます。発酵したぬかの風味が魚へ移り、骨まで食べられるほどやわらかく仕上げる方法が知られています。ぬか床だけで味を付ける伝統的な作り方と、調味料を加える作り方があります。家庭のおかずや酒肴として小倉地域で受け継がれています。
小倉焼うどん
北九州市小倉で終戦直後の1945年に生まれたとされる、乾麺のうどんを使う焼きうどんです。焼きそば用のそば玉が手に入りにくかったため、代わりに干しうどんを茹でて炒めたことが始まりと伝わります。乾麺を茹でてから鉄板で豚肉や野菜と炒め、ソースなどで味を付けます。茹でうどんとは異なる歯ごたえと、鉄板で付ける焼き目が特徴です。市内の飲食店や家庭で作られ、小倉発祥のご当地料理として継承されています。
門司港焼きカレー 門司区
ご飯へカレーをかけ、チーズや卵などを載せ、オーブンで表面を焼いて仕上げる北九州市門司港地区の料理です。昭和期、余ったカレーをグラタンのように焼いた料理を客へ出したことが始まりとする説があります。カレー、チーズ、卵、具材、焼き方、器は店舗によって異なります。