奈良県
東吉野村
ひがしよしのむら
奈良県東部、三重県境の高見山西麓に広がる東吉野村は、高見川と支流の谷に集落が点在します。吉野杉の人工林を育てる林業と木材加工が地域の基幹産業として続き、川沿いでは小規模な農業も営まれています。日本オオカミが最後に確認された地とされる記録が地域史に残り、像や資料を通して伝えられています。三重県側との峠道を含む道路交通が生活を支え、谷ごとに集落の景観と移動条件が異なります。地域ごとに地形、土地利用、交通条件が異なり、中心部と周辺集落では暮らしの姿も変わります。歴史と産業、移動の仕組みが、現在の街並みや日々の生活圏を形づくっています。地域ごとの成り立ちが、現在の景観と暮らしに表れています。
最終更新日:2026年8月3日
郷土料理・ご当地グルメ
この地域で親しまれている味を3件紹介します。柿の葉寿司
塩で締めたサバの薄切りを酢飯へ合わせ、渋柿の葉で一つずつ包んで重しをかける、五條市と吉野地域の押し寿司です。江戸時代中頃、熊野灘で獲れたサバが塩漬けにされ、峠を越えて吉野川沿いの村へ運ばれたことが成立の背景とされています。作ってから一晩置くことで、柿の葉の香りとサバの風味が酢飯へ移ります。夏祭りや祝い事の料理として各地で受け継がれてきました。現在はサバのほか、サケやタイなどを使う商品もあります。鳥取県では塩ますと山椒、和歌山県では塩サバなどを使うのに対し、奈良県の柿の葉寿司は五條・吉野地域で塩サバを載せ、一晩押して葉の香りを移します。
鮎寿司
塩で締めて酢に漬けたアユを開き、酢飯へ合わせて姿を整える吉野地域の寿司です。吉野山地の河川で得られるアユを利用し、かつては米とともに発酵させるなれずしも作られていました。現在はすし飯の上へアユをのせ、布巾などで押して仕上げる鮎姿寿司が一般的です。焼いたアユを使う方法や、山椒、たれを添える方法もあります。アユの旬である夏から秋や、人が集まる席で食べられています。
でんがら
小麦粉や米粉を練った生地で小豆あんを包み、朴の葉で包んで蒸す東吉野村の郷土菓子です。葉の中央へ生地を置き、左右から折り包む形が、農具の「でんがら」に似ることから名付けられたとする説があります。朴の葉が採れる初夏を中心に作られ、葉の香りが餅へ移ります。田植え後の休み、端午の節句、家族が集まる時期などに家庭で作られ、現在は地域の直売所などでも販売されています。葉を開いて香りとともに食べます。