宮城県
仙台市
せんだいし
広瀬川の美しいせせらぎや、定禅寺通などの見事なケヤキ並木が織りなす「杜の都」の景観が広がる仙台市は、独自の豊かな食文化と伊達家ゆかりの歴史が息づく東北最大の都市です。戦後の食糧難の時代に考案された、香ばしくジューシーな「仙台牛タン焼き」や、茹でた枝豆の豊かな風味が口いっぱいに広がる「ずんだ餅」、そして伊達家の家紋「竹に雀」の笹の葉の形にちなんで命名された美しい「笹かまぼこ」など、多彩な極上グルメが日常を美味しく豊かに彩っています。 歴史を遡れば、今から約四百年前の江戸初期、仙台藩祖である伊達政宗公が家臣たちに対し、飢餓に備えて屋敷内に栗や梅、柿などの実のなる木や竹を植えるよう奨めた「屋敷林」にその起源を持っています。人々が長い年月をかけて大切に手入れし育ててきた「生活の緑」こそが「杜」という文字に込められた市民の想いそのものであり、昭和二十年の空襲で一度は失われたものの、戦後の不屈の復興計画により美しい並木トンネル(定禅寺通の一六六本のケヤキ)として見事に再建されました。街を愛する人々が育んできた不屈の緑の歴史と情熱が、現在の豊かな営みと交差しています。
最終更新日:2026年7月31日
郷土料理・ご当地グルメ
この地域で親しまれている味を7件紹介します。三角定義あぶらあげ
豆腐を大きな三角形へ切り、水分を抜いて低温と高温の油で二度揚げし、外側を香ばしく、内側をやわらかく仕上げる仙台市青葉区定義地区の油揚げです。焼くか揚げたての状態へ醤油、七味唐辛子、ねぎなどを添えて食べます。定義如来の参拝客にも提供され、地域の名物として定着しました。
仙台マーボー焼そば
表面を香ばしく焼いた中華麺へ、豆腐とひき肉などで作る麻婆豆腐をかける仙台市の焼きそばです。1970年代、市内の中華料理店のまかない料理から生まれ、客の要望を受けてメニューへ加えられたとされています。2010年代に仙台のご当地グルメとして広まり、麺の焼き方、麻婆豆腐の辛さ、あんの濃さ、具材は店舗によって異なります。
せり鍋
根付きのせりを洗い、鶏肉や鴨肉、ねぎ、豆腐などとともに、醤油味のだしで短時間煮る仙台市・名取市周辺の鍋料理です。宮城県で冬に収穫されるせりを、葉、茎、根まで使うことを特徴とします。仙台市の飲食店で提供が広がり、名取市では地域産のせりを使った料理として展開されています。せりは煮すぎず食感を残し、肉、だし、具材は店舗や家庭によって異なります。
麻婆焼きそば
中華麺を焼くか炒め、その上へ豆腐、ひき肉、ねぎ、豆板醤などで作ったとろみのある麻婆豆腐をかける仙台市の麺料理です。市内の中華料理店のまかない料理や店舗メニューから広まり、複数の飲食店で提供されるようになりました。麺を揚げる形式、蒸し麺を炒める形式などがあります。麻婆豆腐の辛さ、花椒、麺の焼き加減、具材は店舗によって異なります。
牛たん焼き
牛の舌を厚めに切り、塩などで味付けして熟成させ、炭火や網で焼く仙台市発祥の料理です。戦後の昭和二十年代に市内の飲食店で提供が始まったとされ、麦飯、テールスープ、漬物、南蛮味噌などを組み合わせる定食形式が広まりました。牛たんは筋や硬い部分を除き、切れ目を入れて食べやすくします。厚さ、塩味、熟成時間、焼き加減は店舗によって異なります。
仙台あおば餃子
仙台産の雪菜を小麦粉の皮へ練り込み、緑色に仕上げた皮で、豚肉、キャベツ、雪菜などを使ったあんを包む仙台市の餃子です。地域産農産物の利用と地域振興を目的として開発され、飲食店や催事などで提供されています。焼き餃子、水餃子、揚げ餃子などの形式があります。雪菜の使用量、あんの材料、皮の厚さ、調理方法は提供店や製造者によって異なります。
仙台雑煮
焼いたハゼで取っただしへ、大根、にんじん、ごぼう、凍み豆腐、ずいき、餅などを入れ、焼きハゼ、せり、いくらなどを盛り付ける仙台市周辺の正月料理です。根菜を細切りにして一度凍らせた「引き菜」を使う家庭もあります。江戸時代末期から食べられてきたとされ、見栄えよく具材を高く盛る形式も伝わります。だし、餅、具材、盛り付けは家庭によって異なります。